漫画とお酒

バーテンダーに出てくるお酒

Bartender

銀座の地下のバーを舞台に、客が抱えたものへ一杯を差し出すバーテンダーを描く連作。酒の知識そのものより「なぜ今この一杯なのか」を毎話ひとつずつ立てていく構成で、出てくるカクテルはどれも定番の範囲にある。だからこそ家で再現できる。

原作城アラキ
作画長友健篩
出版社集英社
掲載誌スーパージャンプ
連載2004–2011

各話

  1. Glass 1 / 1巻優しい止まり木

    バー取材の記者が、ぬるくなったジンフィズに59点を付ける。同じ店の同じ一杯を差し出されて評価がひっくり返るところから始まり、最後に出てくるのはカクテルですらない「水割り」。

  2. Glass 2 / 1巻古き仲間

    毎月22日に来る和服の老人に、何を出しても「まずい」と斬られ続ける話。答えは酒の出来ではなく、戦後まもない横浜で友と飲んだ一杯の温度のほうにあった。

  3. Glass 3 / 1巻復活の酒

    劇団を3年で諦め、明日故郷へ帰る役者が銀座のバー「Lapin」に流れ着く。事故で財布の金を落として払えないと分かった彼に、バーテンダーが咎めるどころか「私のおごりで」と出したのが、黒ビールと生トマトで組んだレッド・アイだった。

  4. Glass 4 / 1巻最古の醸造酒

    京都での接待に失敗して帰国を宣言した世界的デザイナーに、佐々倉が「最古の醸造酒」を出すと約束する。ブラインドで供されたのは、ワインより古い蜂蜜酒=ミードだった。

  5. Glass 5 / 1巻カクテルの魔法

    相田に誘われて入った六本木のキャバクラで、佐々倉はホステスの水割りを作り直す。数日後、店では一切酒を飲まないシングルマザーの亜希子に出したのは、酒の入っていない一杯だった。

  6. Glass 6 / 1巻『永』の技

    「ミスター・パーフェクト」と呼ばれる伝説のバーテンダー葛原隆一が、叙勲記念パーティーで自らマティーニを作ってみせる。その夜『ラパン』に現れた葛原があえて注文したのは、一番ありふれたジンフィズだった。

  7. Glass 7 / 1巻スーズの記憶

    接待帰りに『ラパン』へ流れた冷徹なエリート、早瀬部長代理。「あと一時間、お任せで3杯」という注文に佐々倉が出したのは、8年前パリで一度だけ会ったときと同じ順番の一杯だった。ゲンチアナの苦いリキュール、スーズが早瀬に昔の自分を思い出させる。

  8. Glass 8 / 2巻完璧な味

    雨の日、会長が佐々倉を連れて行った先はホテル・ダイヤモンドスターのバー「K」。チーフの葛原と同じカクテルを作らせて飲み比べる、という趣向で、注文役の孫娘・美和が選んだのはマンハッタンだった。同じ酒・同じ技法で、二人の一杯がどこで分かれるかだけを見せる話。

  9. Glass 9 / 2巻琥珀の夢

    美和の幼なじみ・沙代子の結婚1周年に、カクテルサービスをプレゼントする話。稀少酒が並ぶ高層マンションで夫の帰りを待つ沙代子は離婚届を用意していて、佐々倉が出した宝石のような層のカクテル「ビジュー」を、その場でステアして琥珀色の「アンバー・ドリーム」に変える。

  10. Glass 10 / 2巻バー・ホッパー

    毎週ひとりで銀座を渡り歩く広告代理店の伊丹部長は、ラパンでも二杯飲んで千円札を置くだけで何も語らない。夜遊びを続ける父を許せない娘が店に乗り込んできたところで、佐々倉は20年前に伊丹がこのカウンターで泣いていた夜のことを話し、その父が幼い彰男に初めて飲ませた一杯、グラスホッパーを娘に出す。

  11. Glass 11 / 2巻クリスマスの奇跡

    クリスマスで賑わうイーデンホールに、場違いな身なりの男がひとりで現れる。「シャンパンなど金持ちの道楽」と言って断る数値流体力学の沖田教授に佐々倉は黒ビールを出し、やがて「ビールとシャンパンは決して混じらない」という教授の言葉から、2本のボトルを両手で同時に注ぐ一杯——ブラック・ベルベットの賭けが始まる。

  12. Glass 12 / 2巻裏切りのグラス 前編

    葛原の下で5年修業した内田が、マティーニのステアをひとつ失敗して破門される。銀座中の店に断られた末に辿り着いたバー・ラパンで腕試しにサイドカーを作らされ、同じクルボアジェとコアントローで作ったはずの佐々倉の一杯と味がまるで違う——分かれ目はレモンだった。

当ページは作品の紹介と、作中に登場するお酒についての解説です。作品本文・画像の転載はしていません。 著作権は著作者・出版社に帰属します。