ブラック・ベルベット
Black Velvet
黒ビールとシャンパンを半々。1861年、アルバート公の死を悼んでロンドンのブルックス・クラブのバーテンダーが「シャンパンにも喪服を着せた」のが始まりと言われる一杯。焙煎した麦の苦味とシャンパンの酸が重なり、泡が細かくなって喉越しがビロードのようになる。名前のベルベットはそのなめらかさを指す。
スタウト・シャンパン・グラスは全部よく冷やしておく。氷は入れない。作り方は2通りあって、片方ずつ注ぐなら先にスタウトを半分まで入れ、バースプーンの背に伝わせてシャンパンを静かに重ねる。古いカクテルブックが書いているのは「両方を同時に同量ずつ注ぐ」ほうで、『バーテンダー』Glass 11 に出てくるのはこちらの注ぎ方になる。立てたままのフルートグラスへ炭酸の液体を2つ同時に落とすと普通は吹き上がるので、流量を絞って泡立ちを見ながら注ぎ切る技術が要る。家で作るならシャンパンでなくても、辛口のカヴァやプロセッコで十分にうまい。シャンパンの代わりにシードル(りんごの発泡酒)を使う版は別名で、プアマンズ・ブラック・ベルベットと呼ばれる。スタウトはギネスが定番で、ドラフト缶よりボトルのエクストラ・スタウトのほうが苦味と炭酸が立つ。
材料
| スタウト | 75ml |
|---|---|
| シャンパン | 75ml |
作り方
| 技法 | ビルド |
|---|---|
| グラス | シャンパングラス(フルート)/ タンブラー |
手順
- シャンパングラス(フルート)/ タンブラーを冷やしておく。
- 冷やしておいたシャンパングラス(フルート)/ タンブラーにスタウト 75mlを注ぐ。
- よく冷えたシャンパン 75mlを注ぎ、炭酸が抜けないよう静かに混ぜる。
手順は技法・グラス・材料から機械的に組み立てた標準的な作り方です。分量や仕上げは好みで調整してください。
度数の目安
約7%弱め
| 純アルコール量 | 約 10.2 g(12.8 ml) |
|---|---|
| 加水後の想定容量 | 約 173 ml |
ビルドによる氷の加水を見込んだ概算値です。
この一杯が出てくる漫画
- 『バーテンダー』Glass 11「クリスマスの奇跡」題の「奇跡」がそのまま指している、この回の主役。「ビールとシャンパンは永遠にまじわらない」と言い切った教授に、佐々倉が「では…混ぜてみましょう」と出す賭けの一杯。作中の作り方は、左右の手に持ったシャンパンとスタウトのボトルから、立てたままのフルートグラスへ同時に同量を注ぐ両手注ぎで、これを3秒でこぼさず注ぎ切る。ボトルの重さも注ぎ口の口径も違うため神業とされ、「このスピードで注げるバーテンダーは日本に5人といないはず」と言われるが、佐々倉自身は泡の立ち方と流量をコントロールする練習をすれば誰でも出来る、と答える。味は「ビール以上のビール、シャンパン以上のシャンパン」で、喉越しは絹のビロードのようになめらか。ベルベットはもともと鹿の角に生える柔らかい産毛を指すラテン語で、つまり「黒いビロード」という名前になる、と作中で説明される。
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